心不全のタイプ

右心不全と左心不全

心不全の治療は心不全のタイプに応じて変わります。あるタイプの心不全は、心臓に十分な血液が充満しません。他のタイプでは、心臓が全身に血液を送り出す力が不十分です。ほとんどの場合、心不全は、主に血液を送り出す部屋である左心室から始まります。また、右側や、場合によっては両側が関与することもあります。

左心不全

心臓の左心室は右心室よりも大きく、心臓が血液を送り出す機能のほとんどを担います。左心不全が発生しているとき、心臓の左心室(下の部屋)は同量の血液を送り出すためにより多く働かなければなりません。

左心不全には以下の 2 タイプがあります。

  • 駆出率保持(HFpEF)は拡張不全とも呼ばれ、心筋は通常どおりに収縮しますが、心室充満時(または心室が緩和するとき)に心室が正常に緩和しません。
  • 駆出率低下(HFrEF)は収縮不全とも呼ばれ、心筋が効果的に収縮せず、酸素が不足した血液が身体へ送り出されます。
右心不全

このタイプの心不全は、心臓の右側、または右心室に影響を与えます。通常は左心不全の結果として起こりますが、心臓発作による右心室の損傷の結果である場合もあります。左心室が衰えると、上昇した液圧が肺を通じて押し戻されて心臓の右側を損傷します。右側の血液を送出する力が失われると、血液が静脈内で逆流し、足首や脚などの身体の腫れを引き起こすことが多いです。

うっ血性心不全

うっ血性心不全は、心臓付近の静脈が「うっ血」または充満したときに起こります。心臓からの血流の速度が低下するため、血液が心臓に戻る途中で静脈内に閉じ込められて、浮腫(腫れ)を引き起こします。通常、この腫れは脚と足首で発生します。また、心不全は、腎臓が身体から水分とナトリウムを流しだす能力にも影響を与え、さらに腫れを引き起こします。

心不全の分類またはステージ

心不全はどのくらい深刻かによって分類されます。以下の心不全の 4 つの分類はニューヨーク心臓協会(NYHA)が定めたものです。

  • クラス I(無症状):通常どおりの身体活動を維持できます。 
  • クラス II(軽度):身体活動が若干制限されます。座っているときや安静時に苦痛はありませんが、通常の活動で疲労、動悸(心臓が強く打つ、もしくは速く打つ)または息切れが起こります。
  • クラス III(中等度):身体活動がさらに制限されます。座っているときや安静時に苦痛はありませんが、活動で疲労、動悸または息切れが起こります。
  • クラス IV(重度):いかなる身体活動においても、さらに座っているときや安静時にも息切れが発生し、疲労、咳、息切れ、胸痛を感じることがあります。

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