ペースメーカまたは ICD デバイスを植え込む
ペースメーカまたは ICD の植込み手術を受ける前に、この手術に伴うことを理解しておくことが重要です。
手術のリスク
一般に、リスクは年齢、全般的な健康状態、特定の病状、および心機能によって異なります。以下の点について知っておく必要があります。
- 患者様の中にはまれに、ペースメーカおよびリードを体内に植え込む手術から合併症を発症する場合があります。下記が主な合併症ですが、通常は治療または治癒することが可能です。
- 感染症
- 手術の際に使用された医薬品に対する副作用
- 出血
- 血管、心臓壁またはその他の臓器の損傷
- 術後に不快感や疲労を感じることがありますが、これらの感覚は通常は短時間で元に戻ります。ただし、ペースメーカが植え込まれた場所に少し不快感を覚える患者様もいます。
- 現在のペースメーカは多くの安全機能を備えています。場合によっては、ペースメーカが外部の 電磁エネルギー源 の影響を受け、適切に機能しないことがあります。ペースメーカを植え込む場合は、 電磁干渉のリスクと原因を理解することが重要です。
- また、リードの先端が心臓の内部で移動して、パルスが有効でなくなる可能性もあります。
- ごくまれに、胸の「ポケット」組織が損傷したりデバイスが移動したりする場合があります。
- 最後に、これらは人工のデバイスであることを覚えておいてください。医師が推奨する頻度で経過観察のため通院し、デバイスを定期的に監視することが重要です。
- 以下の場合は医師に連絡してください。
- 疲労、息切れまたは心拍数の変化に気づいた場合。
- 傷が赤い、熱を持つ、腫れる、痛みが強くなる、または液が出ていることに気づいた場合。
- ペースメーカを植え込む以前の症状が戻ったように感じる場合。
さらに、多くの人は切開部が治ったあとに小さな傷が残り、胸の植込み型デバイスが皮下にある部分に小さな凹凸ができます。非常に小柄または痩せている場合は、凹凸がより目立つ可能性があります。この懸念がある場合、医師はあまり目立たない場所にデバイスを配置できることがあります。
リスクに関する情報について、医師が最高の情報源であることを忘れないでください。必ず治療を受ける前にリスクについて医師に相談し、その後、懸念があれば話し合ってください。
植込み手術
手術のために全身麻酔が必要と医師が判断した場合は、麻酔科医が薬剤を投与して眠らせます。ほとんどの患者様は手術中も眠らずにおり、デバイスを植え込む場所に局所麻酔をします。局所麻酔をした場合は、手術中も医療チームと会話ができることもあり、チームメンバーから指示を受けることもあります。術中、チームがデバイスを植え込むときに少し押された感覚を感じる可能性はありますが、痛みを感じることはないはずです。
通常、ペースメーカまたは ICD の植込みは以下の手順で行われます。
- 医師が胸の上部に小さな切り口を作り、静脈を探します。
- 医師が静脈に針を刺し、静脈を通して心臓までリードを導きます。
- 手術チームは蛍光透視装置と呼ばれるX線装置の一種を用いて、心臓内のリードの配置を監視します。
- リードが配置されると、電気刺激を心臓に送るためにリードが最善の位置にあることを確認するため、
医師がリードを試験します。 - 医師はリードが安定していることを確認するため、深呼吸や激しく咳き込むなど、簡単な動作を行うよう頼む場合があります。
- 皮膚を小さく切開し、皮下の組織とその下の筋肉を分離して「ポケット」を作ります。
- 手術チームがデバイスをリードに接続し、ポケットに配置します。
- チームが切開部を閉じます。
手術の時間は、植え込むデバイスの種類や、特定の解剖学的構造、リードの適切な位置を見つけるのに要する時間によって異なります。場合によっては、ペースメーカまたは ICD の植込みに数時間かかることがあります。
手術終了後
少し不快感を覚えたり、疲れてしまう場合があります。状態によって数時間から数日間、入院する場合があります。
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